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記事一覧

Ordnance Went up Front by Roy F. Dunlap (軍需部前線に行く)

著者、ロイ F ダンラップは銃工で、アメリカ陸軍の軍需部下士官としてドイツ軍、イタリア軍との戦闘そして太平洋における戦闘に参加した。彼の任務はアメリカ軍の兵器の整備や修理であった。しかし彼は敵方、ドイツ、イタリア、日本各軍の兵器にも職務柄当然興味を持ち、フィリピンで鹵獲した日本軍の各種兵器を観察、操作、試験を行った。最後には日本本土にも上陸し、日本の終戦直後の異様な様子にも多くに記述を残した。この...

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「レイテ戦記」 大岡 昇平著

写真は大岡昇平著「レイテ戦記」上、中、下、中公文庫刊、下、レイテ、セブの日本船沈没図(サイト、jsu.or.jp より)1944年後半、レイテ海上戦、レイテ陸上戦の敗北は、戦争の終結を1年間早めたと戦史家は言う。日本敗北の原因は、誤った情報に基づいた作戦の拙さによるものが主たるものだった。10月末から12月までわずか2ヶ月間で終了したレイテ戦。海上戦10月25日、栗田艦隊のレイテ湾突入中止で終了したが、日本...

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「日本本土防空戦 」

この本は「B29撃滅作戦秘録」の副題がある。渡辺 洋二著 現代史出版会 徳間書店 1944年夏から、終戦まで約1年間、日本を悩ませ損害をあたえ、民間人の多くの犠牲を出させた、連合軍主にアメリカ空軍による都市爆撃への日本側抗戦の実態をえがいた本である。戦闘の流れを各種資料から誇大なく良く捉えた作品である。B29は日本に向けて、最初は中国大陸から、後に南方(サイパン)から延べ15000機が出撃し、日本...

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中攻

海軍の中型陸上攻撃機、九六式(1936年)、一式(1941年)の物語である。(本の表紙、上が九六式、下が一式)巌谷 二三男著、1957年、原書房刊。副題「その技術開発と壮烈なる戦歴」この二つの機種は「陸攻」とも略された、日本海軍代表的陸上中型機だった。(水上機は二式大艇があった。)皮肉なことに九六式中攻は、1939年来、1942年にかけて華々しい戦果があったが、改良型の一式は、負け戦の中、悲劇的な...

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Shots Fired in Anger(怒りの銃弾)

この本は、欧米の日本軍と日本軍兵器研究者のバイブル的な存在だ。著者のジョン・ジョージ中佐はガダルカナル、ビルマで日本軍と戦って、日本軍の闘い方、兵器を研究し、535ページにも及ぶハードカバー本を書き上げた。戦争中の著作なので、日本軍に対する怒り、憎しみ、偏見の記述があるのは否めない。しかし、兵器そのものに関しては客観的に観察し、評価している。日本の戦争、日本軍、将校、兵士、兵器などを研究するなら、...

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「山の兵隊」 柳井 乃武夫著

柳井氏は1943年、東京大学の学生だった。「学徒出陣」はどこの国でもどの時代でもあったことだが、太平洋戦争中の日本の学徒は職業軍人、または一般応召された兵と同様かそれ以上に果敢に前線に出た。特に特攻兵器や、機械兵器を扱う任務に就かされた。柳井氏は1943年11月、学徒兵として出陣した。最初は軽い気持ちであったが、徐々に戦争そのもの、軍隊の非効率、非合理に慣らされて行く。インテリジェンスの高い人間ほ...

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「大空のサムライ」 坂井 三郎著

坂井 三郎氏は下士官の零戦操縦士だった。写真は「大空のサムライ」と「その続」光人社刊中国戦線(九六艦戦)で初戦を飾り、1941年12月8日は零戦に搭乗し、台南基地からフィリピン攻撃に参加した。その後ニューギニアのラバウル、ラエ基地、ガダルカナルへの長距離攻撃、負傷。内地での目の治療、戦線への復帰、そして硫黄島と、海軍航空隊の歴史を歩み、数々の戦闘で危機にさらされたが、何とかこの戦争に生き残った。6...

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「私の中の日本軍」 山本 七平著

山本 七平氏が存命だったら、現在の日本の近隣諸国との関係、小泉君の施策、及び日本の報道などをどのように分析するか。山本氏ほど、日本軍の現実と「報道の虚偽」に関して厳しい意見を述べていた方はいなかった。私は山本氏は「今の日本の近隣諸国の言いがかりのような歴史観」を突き放すような態度に拍手喝采し、それを批判する報道を「欺瞞」決め付けると想像するが。歴史は事実であり、現実として妥協すべきものではない。だ...

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「空白の沖縄戦記」 森 杉多著

この本は昭和50年10月、昭和出版刊。沖縄戦が終結し、60年。もう一度この本を読み返してみた。戦後、沖縄戦のみならず、ありとあらゆる戦記もの、兵器もの、その他戦争に関する出版物が発刊された。中には自分の手柄だけを強調したり、論理的に合わない記述が多かったり、一体何を言っているのか支離滅裂なものまで、玉石混交であった。その中から、終戦60周年に掛けて、私が読んでみて、著者が真剣に戦争の現実と対面し、...

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アッツ島とキスカ島

映画「キスカ」1965年の東宝作品だ。(写真は映画のビデオケース、なお本編は白黒だ。)私の戦争映画「100選」の中でも10位以内に入る名作である。監督丸山 誠冶、特技監督 円谷 英二、音楽 團 伊球磨「キスカのマーチ」(この音楽が良い)、三船 敏郎が木村少将を好演した。アッツ島、キスカ島には日本の戦史上、忘れられないドラマがあった。キスカ、アッツの両島は、千島列島からアリューシャン列島に入ったとこ...

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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