通商破壊の非情 「深く静かに潜行せよ」 戦争映画100戦 その17
- 2005/08/31
- 09:19

第二次世界大戦中のアメリカの潜水艦による、無差別通商攻撃は、ナチスの作戦に匹敵する非情さだった。アジアでの連合軍捕虜を日本本土に移動中、この通商破壊で1万人が犠牲になったと言われている。日本側は各船に捕虜を振り分け、海外放送などでそのことを通告していたと推測される。しかし、それが届かなかったか、無視したか、これも謎だ。対馬丸の悲劇もそのひとつだ。アメリカ対日戦戦略は徹底的な日本の工業生産力破壊で、...
忘れられた戦争 [PORK CHOP HILL] 戦争映画100選 その16
- 2005/08/30
- 09:15

停戦交渉が行われているのにその切り札の一枚として、ある丘の奪還を命ぜられた、アメリカ陸軍歩兵中隊の話である。戦闘シーンが淡々としており、リアルであり100選に入る名画だ。朝鮮戦争後期、停戦交渉を有利に進展させようと、38度線近くの低い丘を奪還するアメリカ軍と、中国軍の猛攻の話で、その戦闘内容は殆ど日露戦争と変らない、白兵中心のものであった。「ポークチョップヒル」とは豚肉に切り身のような丘と言う意味...
日本人が知らない朝鮮民族の苦難 「ブラザーフッド」 戦争映画100選 その15
- 2005/08/29
- 08:48

歴史教育論争は、朝鮮半島でも、日本でも正道を外れている。本当に知識として知っていなければならない事実は何か。「朝鮮戦争」はその一つの重要な出来事だった。朝鮮戦争の悲劇を日本人は認識した上で朝鮮民族の人々と付き合うべきだ。そのような意義からこの映画を「戦争映画100選」に推挙する。私は「韓流作品」を好まない。オリジナリティに疑問があるからだ。しかし「ブラザーフッド」(原題は「大極旗を翻して」監督 カ...
ベトナムの後遺症 「フルメタルジャケット」 戦争映画100選 その14
- 2005/08/28
- 11:15

ベトナム戦争は1964年からアメリカが積極的に介入し、南ベトナムを支援、北爆、北から南に侵攻ルートへの攻撃などを’60年代後半から’70年代の前半に戦われ、1975年の完全撤退まで約10年間の戦争だった。1987年はベトナム戦争映画の当たり年だった。「プラトーン」と並ぶ作品として、スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)監督の[Full Metal Jacket]が製作、公開された。この作品はオスカーにはノミネー...
戦後4分の1世紀同じことしてきたアメリカ 「プラトーン」 戦争映画100選 その13
- 2005/08/27
- 10:49

「プラトーン」はベトナム戦争映画best5作に入る名作だ。1986年、オリバーストーン監督、4つのオスカー(アカデミー賞)を獲得した。現在の日本とアメリカ、何が違っているか?「根性」が違うと感じることが多い。アメリカは1950年代から70年代前半まで、アジアで共産主義者と戦い、大変な苦労をした。大勢の若者が命を落した。社会や家庭に大きな影響を与えて。その頃育ったベビーブーマーが今引退しつつある。彼らは...
日本軍の捕虜の扱い 「戦場にかかる橋」 戦争映画100選 その12
- 2005/08/26
- 13:03

英国出身の映画監督、ディビット・リーン(David Lean)はこの映画を製作した後、「アラビアのロレンス」、「ドクトルジバゴ」、「ライアンの娘」そして「インドへの道」と立て続けに大作に取り掛かり、その最初の3つは戦争、紛争に関係のある映画だった。これら全て作品が成功した。「戦場にかかる橋」は原題{The Bridge on the River Kwai]で1957年の映画だった。ストリーは第二次世界大戦初期、アジアで日本軍の捕虜になった...
「パットン」 アメリカ最後の武人とその死 戦争映画100選 その11
- 2005/08/25
- 12:54

1970年、FOX作品[PATTON]は、アメリカ陸軍ジョージSパットン将軍の第二次世界大戦参戦の時から1945年末の悲劇的な死を描いた戦争映画で、アカデミー賞8部門を受賞した。監督は「猿惑」で有名なフランクリンJシェファー、主演はジョージCスコットだった。パットン将軍はその攻撃的ユニークな性格でよくマッカサー最高司令官と比較された。似てると言えば似ており、アメリカ軍の最後の軍人らしい軍人の典型だった。この映画...
日本戦闘機の写真銃 多くが「コニカ」製
- 2005/08/24
- 10:03

第二次大戦中の日本陸海軍航空機に装備えられたカメラは偵察用と射撃観察用、2種に分類される。射撃観察用カメラはムービーカメラである。[Japanese Aircarft Equipment]に掲載されているカメラ類は殆どが「六櫻社」後の「小西六」現在の「コニカ」の製造であった。写真の下の例は、海軍の八九式ルイス型射撃監査写真機で、ムービーカメラである。先回、紹介したものは旋回式としてあったが、この機械は固定用に使用されたようであ...
真珠湾攻撃 「トラ トラ トラ」 戦争映画100選 その10
- 2005/08/23
- 13:41

「トラ!トラ!トラ!」は真珠湾攻撃を日米、両側から描いた、どちらかと言えば記録映画的な作品であるのが特徴だ。従って、日本側は深作 欣二監督が、日本の有名俳優を使い、大掛かりなオープンセットで、撮影した。撮影に必要だった航空機はアメリカから持ち込まれ、日本の対空証明を取得し、日本の空を飛行した。アメリカ側の監督はリチャード・フレッシャー。製作の豪華さ、手間の掛け方、こだわり、こういう観点からこの映画...
中国人監督が描いたサイパン戦 「ウインドトーカーズ」 戦争映画100選 その9
- 2005/08/22
- 10:33

ジョン・ウーはアメリカで活躍する中国人映画監督で、「ミッションインポッシブル」「フェースオフ」など独特のアクションムビーで実績がある。現在も6本の作品を製作中と言う。彼が監督した「WINDTALKERS]2002年MGM(画像はそのDVDのケースより)は、日本軍や日本軍兵器をなかなか正確に使っていて感心した。戦争映画100選に推薦したい作品のひとつだ。アメリカ軍(本当は陸軍がフリッピンで活用した話であるがこの映画は...