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記事一覧

スティーブ・マックイーンのキャラクターを決めた「英雄達の地獄」 戦争映画100選その104

スティーブ・マックイーンは60年代から70年代に掛けての有数のアクションスターだ。彼は1960年に「荒野の7人」、1963年に「大脱走」に出演し、その俳優としての地位を確立したが、この作品「Helll is for Heros]は、ストリー的には「荒野の7人」、役柄的には「大脱走」をいくものだ。この作品の戦争映画としてのスコアは高い。脇役も良い。邦題「突撃隊」Don Siegel監督、1962年、白黒作品で、舞台は第二次大戦...

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二世のユーモア 「当たって砕けろ」 戦争映画100選 その103

第二次大戦欧州戦線にアメリカ生まれの日系人部隊約16000名が参戦し、そのうち10000人もが死傷した話は有名である。アメリカにおける日系人地位を高め、戦後彼等が急速のアメリカ人化したことのきっかけとなった。「Go for Broke]は1951年、実話に感激したRobert Pirshと言う人が脚本を書き、自分で監督した。彼は後にテレビ界で活躍した。原題は「当たって砕けろ」と言う意味だ。話は実話に基づいていた。テキサス...

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心の刺青を見せる 「ベトナムへの旅行」戦争映画100選 その102

この映画は日本では公開されてない。カナダ人Sidney J. Furieが監督した「Going Back](「帰還})と言う、2001年のテレビ映画だ。それをアメリカでは劇場用に「Under Heavy Fire](「猛攻撃の元で」とした。)ベトナム戦争中のアメリカ海兵隊一小隊の物語だ。海兵隊員は陸軍、海軍、空軍の3軍と異った強い特徴を持っている。よく海兵には「心の刺青」と言う言葉があるが、一度叩きこまれた精神と友情は永遠に変らないと言う意...

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シンプルな物語だがほろりとする「五人の斥候兵」 戦争映画100選 その101

筆者には1930年代後半の日本と中国の戦争ほど、その背景が曖昧で、よく理解できない歴史的事実はない。日本国民は果たして全面的に戦争を望んでいたのであろうか。この映画は1938年度、日活作品、監督 田坂 具降、北支戦線のある中隊を描いた作品だ。ベネチア映画際に入賞し、最初の日本映画の海外受賞作だった。物語はシンプルだ。岡田中尉(小杉 勇)指揮する中隊は大隊本部から離れ、中国軍が駐屯していた村を攻撃し...

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23歳だった「撃墜王アフリカの星」 戦争映画100選挙 その100

戦後それほど経ってないない1957年製作、ドイツ映画だ。監督Alfred Weidenmann。筆者は10代の頃、2回見ており、最近また見直した。原題は[Der Stern von Afrika]、主役のハンス・ヨアヒル・マルセイユ(Joachin Hansen)は1939年、空軍の操縦候補生としてメシュターシュミットMe109の訓練に励んでいた。1941年夏、「バトル・オブ・ブリテン」に参加した。同僚のロベルト・フランケ少尉夫妻と同じ集合住宅に住んで...

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ミニシリーズの戦争映画 「バンド・オブ・ブラザーズ」 戦争映画100選 その99

有料放送は劇場に行くのと同じように金の掛かった本格的コンテンツが視聴できる。HBOは有料有線放送の先駆け的存在で、多くの「ミニシリーズ」を製作している。人がホテルを予約する際にHBOが見れるかどうかで決めるというくらいだ。[Band of Brothers]は2001年製作、60分間、10話からなるシリーズで、日本ではWOWOWが放映した。監督はDavid Frnakel, Tom Hanksなど8名が行い、全体をステーブン・スピルバーグが監修した...

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戦争映画100選はまだまだ続く、請うご期待。

戦争をテーマ、もしくは重要な要素として物語が構成された映画について書いて98タイトルとなった。「100選」と言っているが、このシリーズはまだまだ続く。100と言う数字は、厳選はしているが、いろいろな国の、様々な時代の、バラエティのある背景の、映画を「沢山」、選んで紹介し、筆者の感想や解釈を語るもの、と理解して下さい。今、用意しているものだけでもあと10くらいはあるし、まだまだこれからだ、と期待願い...

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壮烈なる印パキ国境紛争 「カリギリ停戦ライン」 戦争映画100選 その98

インドとパキスタンは1947年、英国からの独立来、カシミール地域の帰属を巡り争っている。インドは人口10億2000万人多くがヒンドゥー教徒だ。パキスタンは人口1億5000万人殆どがイスラム教だ。両国とも核を保有している。(核を有している国同士の紛争は現在世界でここだけだ。)両国は、英国から独立した時には大小562の国で構成されていた。カシミールは両国の間の山岳地帯にあって、領主はマハラジャ(ヒンド...

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ソ連から見た日本軍 「前線突破せよ」 戦争映画100選 その97

この作品は1982年、監督ユーリー・イバンチェク。英語題は「To Cross the Frontier](前線突破と言う意味)日本題は「満州帝国崩壊」ソビエト進軍1945、と言う。題材は1945年8月9日、ソ連の日ソ不可侵条約一方的破棄による、満州国侵攻だが、政治色はない。ある後方支援を命令された一中隊が意外な展開で、強力な日本軍との戦闘に巻き込まれた話だ。地形的にまたラマ教寺院が戦場になることから、満州国のモンゴルに...

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作戦と同じ中途半端な大作 「バトル・オブ・バルジ」 戦争映画100選 その96

バルジ作戦(アルデンヌ攻撃)は1944年12月、ドイツが連合軍に対して行った最後の大規模な反撃であり、連合軍は33000人の死傷者を出し、手痛い打撃を受けた。一方、ドイツもこの作戦で温存していた力を使い切り、半年後の降伏を迎えた。1960年代は戦争映画の10年間だった。[Battle of Bulge]は1965年、カラー167分の大作だ。監督は[The Longest Day]の英国部分を手がけたKen Amanakinで、彼は石原裕次郎が...

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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