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記事一覧

間違いだらけの「幻の自動小銃」六四式小銃のすべて

日本人による日本軍兵器の研究はどうなのか。うーん、大分疑問の内容も多い。その一つの例がこの本「幻の自動小銃」六四式小銃のすべて、津野瀬 光男著、かや書房、1986年初版、B5版207ページだ。津野瀬氏は1917年生、1934年陸軍工科学校卒、1940年陸軍技術本部、戦後は警察予備隊から自衛隊武器学校教官、三等陸佐、退官後は豊和工業(株)の顧問になり、六四式小銃の開発に携わったという経歴だ。経歴でも分...

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事実の怖さ、柳井 乃武夫著「山の兵隊」 日本人の戦記もの

柳井氏は1922年、外交官の父の赴任先ブラジルで生まれ、東京大学2年生、1943年に学徒出陣した。広島に移動、陸軍の船舶工兵隊に配属されセブ島で訓練を受けた。レイテ輸送作戦に参加して、レイテに面したポロ島と言う小さな島からセブに戻り九死に一生を得て、復員直後、軽井沢でこの記録を一気に仕上げたそうだ。「比島より生還せる一学生兵の手記」と言う副題がある。1985年「交通協力会」発刊。私は何回か読んだ。...

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アメリカ軍の苦闘を描いて写真本「パールハーバーと太平洋戦争」 1

この本はすでに幻の出版物の感がある。[Pearl Harbor and the War in the Pcific]は題の通り、日本軍の真珠湾攻撃から終戦までを18章にわけ、写真、イラスト、地図を多く使用した、日米戦争の記録だ。本は300ページあり約100ページがカラーだ。25年ほど前に出版されたが、縦33cm、横26cm、厚さ2.5cmの大型、ハードカバー本だ。Smith Mark 出版社の発刊だ。内容は日本とアメリカの戦闘とそれに使われた、装具、兵器...

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どういう軍人が日本を駄目にしたか。 歴史を勉強しよう その11

25年ほど前、シンガポールに行った。シンガポールには明治来、日本と欧州、またアジア各地に赴く途中、客死したまた同地で亡くなった日本人の墓地がある。この墓地は120年ほどの歴史があり、同地の日本人会が管理をしている。そこを先輩と参拝した。一番奥の方に「寺内 寿一元帥」のお墓を見つけ、お参りした。中くらいのごく普通の墓だ。寂しく、木漏れ日の中にたたずんでいた。これがあの有名な寺内元帥の、と感慨深かった...

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戦艦「武蔵」の最後とレイテの地すべり 歴史を勉強しよう その10

1週間前に発生したレイテ島セントバーナードの大規模地すべり、未だに1000人の住民が行方不明とのことである。レイテ島に1944年末、日本陸軍は10万人の兵力を送り、生き残ったのはわずか2000人だった。また日本海軍は10月のレイテ沖海戦で徹底的な敗北をきし、爾後海軍の組織的な戦闘は行われなくなった。特に大きな損害は未だに正確な沈没位置が明確でない、戦艦「武蔵」の最後だ。航空機から魚雷20本を受けた...

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少年の好奇心が歴史をつくった。 歴史を勉強しよう その9

鉄砲が種子島に伝来したのは、1543年であった。領主は種子島時尭、14代目の当主であったが、彼は1528年生れだったので、当時は15歳の少年であった。難破した南中国からの船に乗っていたポルトガル人が鹿猟の許可を求め、それに使ったのが火縄銃だった。彼は自分の前で撃たせて、好奇心からその新兵器の価値をたちどころに見抜いた。15歳の少年は大金を払い、2挺を購入し、火薬、弾丸の造り方、撃ち方をたちどころに...

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キリスト教と鉄砲伝来 歴史を勉強しよう その8

日本にキリスト教(イエズス会)と鉄砲(火縄銃)はほぼ同じ頃、16世紀半ばに入ってきた。この二つの出来事は無関係ではない。イエズス会は1534年に設立され、フランシスコ・ザビエル士が1549年に日本に布教に来た。鉄砲はポルトガル人によって種子島に1543年にもたらされた。キリスト教は野蛮な地域への布教、鉄砲は新しい武器、商品として、大航海時代の始りだった。当時、欧州で評判となっていた黄金の国、日本に...

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めずらしい英国テレビ映画 「シャープス小隊」 戦争映画100選 その122

[Sharps Company](シャープス小隊)は1994年に放送された英国のテレビ戦争映画だ。話は1812年、ナポレオン戦争中のスペインだ。隊長シャープス大尉を演じるのがSean Bean, そのスペイン人の妻テレサはAssumpta Sermaだ。その他の配役も有名な俳優ばかりで、制作にも費用が掛っており、スコアも高い。話は、ポルトガスに上陸し、スペインに向かう英国軍部隊の話だ。各地でフランス軍と戦闘する。シャープス大尉は狙撃小隊を...

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戦争の本質は変わらない 「ジャーヘッド」 戦争映画100選 その121の2

意外に良かった。戦争の本質を突いてる、2006年、「アメリカンビューティ」のサム・メンデス(英国人)監督作品だ。珍しい第一次湾岸戦争を題材にした映画だ。戦争は今も昔も変らない。それが本質だ。原作者アンソニー・スロフォード(ジェイク・ギルフォード)は大学進学か、を迷い20歳、1990年、海兵隊(マリンコ)を志願した。淡々とした彼のマリンコ生活が良い。社会とは隔離された非現実的で、下品で危険な訓練の毎日。彼は射...

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歴史を勉強しよう その7 「南京虐殺」

日本軍による1937年,国民政府首都南京に対する攻略、12月13日から約6週間の日本軍の国民政府軍捕虜、敗残兵、便衣隊(民間人の衣服を身に着けたゲリラ)そして民間人への残虐行為に関する、中国および日本のサイトや書かれたものは非常に多く存在する。これらの著作物の唯一の難点は、第三者が観察し、記録した合理的な証拠に基づいた内容に薄いことだ。当時の南京は日本軍の攻撃にパニック状態になり、国民政府軍の指揮命令...

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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