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記事一覧

大砲を消してしまった戦車の写真

1937年、日中の衝突が発生し、日本が主につぎ込んだ戦車は八九式中戦車だった。この画像も先日の画像もアサヒグラフからだが、不思議なことに大砲が付いてない。滑腔砲の近代戦車と異なり、当時は砲を外すと言うことは殆ど考えられない。アサヒグラフに出てくる戦車は八九式中戦車の57mm砲も九五式軽戦車の37mm砲も付いてないのだ。砲塔が単なる筒になっていた。なぜこのような検閲をしたのだろうか。砲が強力なので、...

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騎兵の死

人間が馬に乗って戦う形式は長い歴史が世界中にあった。この騎兵戦闘の歴史の最後は、1939年のドイツのポーランド侵攻の際、伝統とかなりの規模と程度の高さのあったポーランド軍騎兵があっけなくドイツ機甲師団の前に全滅に近い形で壊滅したことだろう。馬に乗り、パンツァーに突撃したポーランド騎兵隊の気鋭は武人共通のものだっただろう。画像はその前年くらいの中国におけるアサヒグラフの日本軍騎兵の良い写真だ。やらせ...

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「下士官根性」と会社組織

不思議な写真だ。アサヒグラフからだが、北支のある都市の市街戦の様子だ。明らかに作られた写真で、日本軍と中国軍保安隊が協力し、バリケードを守っている、と言う設定だ。手前に日本陸軍兵が九二式重機関銃を砂嚢の上に構えているが、装填手がいない。こんなことはありえない。また奥に2名の中国保安隊が日本製でない小銃を構えている。問題は、機関銃の後方に立っている男だ。姿勢が悪い。この時期、兵、下士官、将校、皆同じ...

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「敵前上陸」何と言う勇ましい。

日本軍は歴史的に敵前上陸で大敗を期さなかった。日清戦争、日露戦争(仁川)、杭州湾、マレー半島など。辻はマレーの敵前上陸に参加したと言うが。この画像(カラーの画像がアメリカからなかなか載らなくて困っている)はアサヒグラフの1938年のもので、日本軍は北支、上海、南京などへ積極的に攻めたが、遼東半島は後回しとなった。いずれにせよ満州国がある以上、遼東半島はしにたいだった。陸軍の完全武装の兵士が、徴用(...

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ジープに負けた枢軸国

アメリカ東海岸に来て、空港から乗ってきたレンタカーは直ぐ返却し、ジープラングラー(勿論中古)を購入した。4リッター6シリンダー200馬力。日本で乗っているイタリア車は2リッターだが、このエンジンのジープよりはるかに早く、乗りごごちが良い。何て馬鹿なものを。と思われるかもしれないが、1941年、すでにモータリゼーションが進行していたこの国ではオフロードカーが開発されていたのだ。大戦が始まるとウイリス...

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射撃場がない?

今、私が滞在しているアメリカ北東部で、久しぶりにライフル射撃でもしたいと思い、調べたが、射場がない。或るとき、ドライブしていたら、道の横で、山に向かい、10数人の人が指導員と警官の元、小口径ライフルの射撃をしていた。聞いたら、これは狩猟ライセンスのための講習だったようだ。とにかく300mは撃てる射撃場を調べたが、この州には軍の施設にしかない。皆どこで練習をしているのだろう。これが不思議だった。射撃...

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護身用の三八式騎兵銃空挺型6・5mm

アメリカではニューヨーク市以外なら大体どんな家でも銃の1挺か2挺を備えてある。昔の州法で、家庭に銃を装備すること、男の子は15歳になったら射撃練習をやらせること、などがまだ残っているところもあるそうだ。「コロンバインの悲劇」は別として、子供による銃の事故は絶えない。私はドアの後に、多分海軍の空挺隊が改造したのだろう、三八式騎兵銃の銃床が折り曲がる形式を置いてある。5発の弾薬は弾倉に入っているが、装...

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護身用の二十六年式拳銃

ニューイングランドの山に来て1週間がたった。安全なところだが、皆な武装している。車には狩猟用以外の武器を搭載することは出来ないが、家には何らかの武器は置いてある。私は寝るとき、枕の横に本と二十六年式拳銃に6発込めて置いて寝る。この拳銃は1892年開発なのですでに114年前のものだ。従って、近代的拳銃の範疇に入らず、良く西部劇に出てくるコルトやレミントンやその他、パーカッションを使う拳銃を置いている...

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防寒具に驚き関東軍歩兵

この画像は「写真週報」と言う政府系の情報誌の表紙だ。多分、1943年ごろのものだろう。日本が戦争相手国をアメリカ、英国に決定したのは1941年から2年に掛けてと言われている。1941年のノモンハン事変で完全に陸軍、つまり日本国はソ連に騙された。策に陥ったのだ。もともと海軍は多分あまり出番のない、対ソ戦に消極的だった。山本 五十六元帥が、アメリカ開戦を反対した現実論者だったとは思わない。それにしても...

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偽装(カモフラージュ)の天才だった日本軍

現在各国の特殊部隊、その狙撃隊の偽装の原点は日本軍にあったと言っても間違いない。この画像の偵察兵もまったく樹木の一本になっていた。これが狙撃兵なら怖い。各国特殊部隊は身に被るものや顔や兵器を偽装することにとても熱心である。何時間も微動たりしない訓練も行うそうだ。日本はすでの日露戦争の際、カーキ色の被いを被ることで、外国観戦武官たちの賞賛を浴びていた。私の推察では、これは日本の伝統、つまり忍術からき...

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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