ヒストリーチャネル(History Channel)の虚実
- 2006/09/30
- 02:23
アメリカにいた頃、ヒストリーチャネルの製作会社(いろんな小規模プロダクションを使っており、日本の時代ものを作っていたのはハリウッドの「グレーストーン」と言う会社だった。)から問い合わせを受けた。刀、鎧、火縄銃、大戦までの兵器などに関してだ。どこの誰もそうだが、テレビ業界人はすでに仮説を持っていて、番組をこういう風に作ると言う方針ありきから、取材している。例えば「日本の武器兵器は欧米の真似物である。...
マニオンズ(Manion's)
- 2006/09/29
- 00:57
マニオンズはアメリカ、カンサスシティにある武器兵器、軍装品、アートのオークションハウスだ。歴史はある。本社はドイツで、ドイツの軍装品をアメリカでオークションすることから始まった。1980年代後半から90年代前半までは年に数回、カタログを発行し、ドイツ、日本、アメリカ、その他という分類で様々な軍装品を羅列し、別冊に兵器が載っていた。売主、買い手から各々15%の手数料、搬送費を出さすので、割りに良い仕事で、...
年少者用教練銃剣
- 2006/09/28
- 00:09

大正時代、軍縮期間の日本は多くの軍人に「肩たたきを」が行われた。しかし、その軍人達を学校に派遣して文部省が費用を出し、生徒に軍事教練を行うと言うシステムが出来た。これが学校教練だ。主に昭和の始めから、中学、専門学校、高等学校、大学などで教練が実施されるようになった。それに加えて、上級学校に進学できない子供の為に「青年学校」が地域や会社単位で設立され、男子生徒の3分の1の時間は軍事教練に当てられた。(...
観測鏡 九三式五十糎 ニコン製
- 2006/09/27
- 03:01

今の日本大手企業に戦前の軍隊を悪く言える社は少ない。ほとんどの製造業に限らず、運輸、通信その他サービス業も軍、つまり国家予算の支出先として保護されていたはずだ。この九三式五十糎観測鏡は、1933年に制定された地上戦闘用の観測機器で、箱(木箱を金属で覆った丁寧な作り)から、プリズムを2個使う本体に柄を付けて組み立てた。これを主に塹壕などから外部の状況を観測するのが目的で、同じような機能の光学兵器は第一次...
実物を観ないで歴史を語るな。
- 2006/09/26
- 01:40
小学生の頃の社会見学、その気持ちを忘れな。歴史は特にそうだ。日本のように長い歴史を持ち、観るべきところは多い国は少ない。学者でも実物を観ないで語っている者がいかに多いか。いかに間違ったことを言っているか。私のようにビジネスマンであった者には信じ難い。ビジネスマンは現地現物主義で、物を実際に観てこないと話が進まなかったからだ。例えば、16世紀に中韓も火縄銃を製造、使用していたとする説をとなえる人いるが...
洋式銃の置き台
- 2006/09/25
- 00:05

幕末に日本は数十種、70万挺にも及小銃を幕府、各藩が輸入したと言う。よくそれだけ金があったものだ。さらに輸入銃を見て、幕府、各藩は自前で製造もした。しかし組織は幕藩体制のままで、扶持に従い、各武家に火縄銃の替わりに洋式銃が装備されたわけだ。倒幕側の藩はその点、例えば長州の奇兵隊のように軍隊としての組織になっているところもあった。特に東北各藩は、旧体制のままだった。画像の銃の置き台は、3挺の洋式銃を立...
名札の付いた弾入れ(前弾薬盒)
- 2006/09/24
- 01:16

ずっと昔、アメリカのガンショーで手に入れたものだ。その頃は面白かった。ガンショーの日程を[ショットガンニュース]と言う雑誌で調べ、地図で場所を調べ、週末、ドライブした。ガンショーの出展者も客も,99%白人の男だ。黒人はほとんどいなかった。東洋人も私以外には見ない。そういう世界だった。画像のこの前弾薬盒は一つしかなく、特徴と言えば、前期型(蓋止めの革帯通しが真ん中にひとつしかない、かなり使いこまれてい...
沢山の「早合」
- 2006/09/23
- 01:17

「早合」(はやごう)は前装銃(銃口から火薬や玉を込める銃)に使われた、1発分の火薬を入れておく容器のことだ。木、骨、日本では竹などを筒にして、蓋を付けてある。銃の大きさで早合の大きさも異なる。勿論、西欧で火縄銃、火打石式銃と一緒に使用されており、西欧の画を見ると「マスケティアー」(銃士)は肩掛けの紐に一定間隔で、早合を身に付けていた。胴乱(腰に付ける鞄、語源は知らない)に、入れておくこともあった。...
日本刀を持ってきたアメリカ人
- 2006/09/22
- 00:41
ここコネチカット州は秋も深まり、良い天気だ。昨日、外で屋根職人と話をしていたら、前に小型トラックが止まった。オジサン風の男が降りて来た。この町の人間らしい。私が日本の武具研究をしていると知ってのようで、自分の家で日本刀を見つけたが観て欲しいと言うことらしかった。トラックから持ち出したのは、一振の脇差だった。刀身はなかごをみるまでもなく、古刀で、拵えも上手のものだ。私は刀の鑑定はできないが、多分「大...
鏑(かぶら)矢 外国にもあるのか?
- 2006/09/21
- 02:44

何度か、書いたが日本の弓矢、和弓は独特だ。中国のもの、西欧のものや、南洋のものと明らかに異なる。韓国のものは知らないが、恐らく和弓みたいではないだろう。韓国人も「日本の弓は韓国の真似ですよ」とは言えないだろう。宇田川先生もそう言わないだろう。何しろ弓が210cmの長さがある。鏃の種類は数え切れない。弦は逆に張る。私は弓には詳しくないが、世界的にみて同じようなものはない。なぜこのような独特な弓矢が発...