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記事一覧

海防思想と松平定信

結局、原発に通常ミサイルを一発撃ち込まれたら終わり、と言うことが今回の津波事故でよく理解できた。日本の「海防意識」は当然ながら鎖国後期、外国船が近海に現れたことにより、芽生えた。上白石実著「幕末の海防戦略」によれば、その元祖は寛政の改革を行った松平定信であるとしている。定信は名字からも分かるように将軍家の出であり、白河藩主だった。当時、東北は天明の飢饉のため苦闘していたが、定信は倹約を推奨し、白河...

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震災復興は安藤忠雄さんにプランを

三陸のリアス海岸は波の力がどんどん集約されて来るから被害が大きい。しかし、海は宝庫であり、様々な魚介類が採れ、養殖できる。今回、津波で更地になってしまったところ、ほっておけば、勝手に全体的な安全性や調和を考えず、どんどん、無計画に統一性のない、建物や家が建設されてしまい、何十年もするとこの悲劇は忘れ去られる。政府は何をやっているのだろう。早く、復興を県単位でなく、地域として行う法制化を行い、その全...

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九四式三号無線機と騎兵

九四式無線機材は1934年に制定され、そのまま終戦まで使われた。当然、細かいところは様々な改良がなされたのであろうが。「騎兵写真集」の三号無線機使用の様子。海軍陸戦隊の写真も観たが、ほとんど同じ状況だった。三号無線機は、受信機と送信機に分かれている。それらを縦に重ねて、使用した。電鍵のモールスと、音声と両用。重ねた場合は、両方が収まる木箱を作り、その中に入れたが木箱は粗末なものであった。運搬の際は...

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「100年に一回のために堤防を作るのですか。却下!」

何かつい最近聞いた台詞だ。日本人は忘れやすいからもう過去のことにしている。「事業仕分け」で誰かが言った。確かに100年に一度あるかないかの災害のためにスーパー堤防とやらを建設する。馬鹿げて無駄使いだ。ところが今度は1,000年に一度の大災害が来た。ようやく先人がなぜスーパー堤防を作る、としていたか分かったのか分からないのか。恐らく分ってないだろう。菅さんはレンホウさんをまた災害対策に起用した。だれ...

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「415人が綱渡りの作業」とアサヒコム

水を入れ過ぎたのだろう。外屋の地下、塹壕(トレンチ)に入っている水は、うまく使用済み燃料プールに入らなかった水ではないか。素人が、頭をひねっても、考えても、分からない。建設中の一号機、一番小さい炉でも、建設中の画僧では人間と比較するととてつもない大きささだ。水をポンプで移しかえる作業をしているありさまを「綱渡り」と称しているが、うまい表現だ。どう調達してくるか、電源があり、ポンプがあればあとは空の...

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無線通話を行っている4号

日本軍の無線利用は、今では考えられないほど原始的なものだった。この「騎兵写真集」にある「4号無線機」はマイクをもって通常会話で使用している。左横が手回し発電機だろう。3号も6号も完全なセットを持っているが、4号は見たこともない。マイクも。しかし、今、私の通信機の収集物、今年秋のある資料館に貸し出す予定のものは、すべて福島の倉庫に。立ち入りはできないそうだ。勿論、地元の立ち入り出来る人に頼んではある...

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今回の津波の不思議

高地に住む庄屋が、稲穂や自分の家に火をつけ、地震の後、海岸に出た村人に危険を知らせたのは紀伊半島の話で、有名だ。この話は地震の後、海水が引き、更に津波が来るまで時間があったことを意味している。今朝、読んだ話、岩手で、若い主婦が幼い子二人とアパートで水に飲まれながらもかろうじて助かった話は地震から津波まで36分間たっていたそうで、その間、彼女は携帯で友達と話をしていたそうだ。(常識から考えるとバカ女...

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CNNのセンセーショナル報道

「ブレキングニュース」と言うのでこの放送局はもっている。事件をセンセーショナルに伝えるのだ。まだ情報が明らかでない状態から同じ映像を繰り返し、電話取材で取り上げる。そして中国人、インド人のキャスターで盛り上げる。東北には「オオモノ」キャスターを送ったらしいが、勿論、福島には近寄れない。それで、日本のメディアの一番センセーショナルなところだけを、つまみぐいしている。リビー教授から今朝、電話があった。...

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九四式六号携帯無線機

日本軍の通信機器を一時研究した。これは「日本騎兵写真集」に掲載された写真の六号だ。日本軍のものとしては、一番小型だが、一人で操作するより、手回し発電機を使い2人で操作する。音声と、横の釦でモールス、2種類の通信ができる。モールスのキーは板でうつより熟練がいった。横浜のイエローサブマリンさんによれば、性能的にはおもちゃのようなものだ、と言うことだった。手回し発電機はとても重く、1分間に60回、回すと...

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原子力が片付くまで禁酒

夢うつつで見ていたので、後で目が覚めて、ああ、あれば夢だったのか、と感じたほどだった。放射能が1000万倍、冷静に考えればあり得ない。やはり間違いだった。良かった。多分、現場で格闘している人たちの疲労も限界があるのだろう。東電だけでなく、あらゆる機関の人たちがあらゆるアイデアを出し、このトラブルから脱出してほしい。個人的だが、それまで酒を飲まないと、決めた。どうせ死ぬならどんどん飲んでも良いが。こ...

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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