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[十手の文化」論と捕り物

捕り物装具は日本独特のもので、世界各地の博物館を走破した
私も同類のものは見ていない。

友人の谷口 柳造氏がこの種のものとしては初めての本を著し
今では珍しい、図書館協会の優良本に指定されたそうだ。

十手、捕り物文化は室町期に発したと負う。
江戸期に日本独特のものに進化したものと思われる。

特に十手は武器兵器の分類では「打ちもの」と言われ、相手の急所を
打ち攻撃力を弱らせる、科学的な考え方に基づいているもので、身分
や用途で様々な形、大きさがある。
自分でも所持していたが、先の重さ、バランス、鉤の造り、形状、
全て良く考えられていた。

谷口氏の本には「万力鎖」「捕縛」「手錠」「鍵」など彼の収集が多岐に
渡っていることを示しているが、多くは明治から現在も使われている
日本の捕縛の文化である。

定義すれば日本では「捕縛」とは生きたまま捕まえるという伝統で
世界の国々のなかでも珍しい概念であると言って良い。

米国はその反対で、自分や周りの安全を守るためには面倒だから
射殺するが一般的な論理だ。
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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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