FC2ブログ

記事一覧

日本人は敗戦で何を得たか

森 杉多と言う人が書いた自伝「空白の沖縄戦」昭和出版刊と
いう戦記物を読み返した。
文章が上手であり、彼が通信兵としてノモンハンに従軍、そして
3度目の応召で沖縄に送られ、与論島、徳之島へクリ船で脱出、
再度挺身隊として沖縄行きを命令された過程を、戦友や上官など
の会話で繋いだ見事な体験記のひとつだ。
同氏は女学校の教諭、戦後は高校教諭、校長を経たから戦争の
実態や自分たちの、平時ならば犯罪となる行為も正直に記述して
あると感じた。


私は日本の兵器研究のなかで無線機の使い方や能力に興味が
あったので、ベテラン通信兵であった彼の記述内容に興味が
あった。彼は三号無線機を使用して日本の同盟ニュースやボイス
オブアメリカを聞いていて戦況の情報収集にも長けていた。
五号無線機の受信機のみを担いで撤退したが、雨でダメになった。

この本のなかで上官から「ノモンハンの負け戦」について心境を
質問されたことがあった。
彼は答えた。
「自分は視野が広くなったというかものごとを客観的にみることが
出来るようになったと思うと。」と。

なるほど、この言葉は国家にも当てはまるなと感じた次第だ。
日本国は連合国に押し付けられたと言うが「敗戦により国際情勢を
客観的にみて大人の国になったのではないか」と。
しかしながら、失ったものは大変に大きい。まずは350万人国民の命
、海外投資(朝鮮や満州には全くの持ち出しであったが)、国内の資産、
財産、インフラ。

だが戦時復興の第一次期は、戦中に技術を磨き、生産力をつけて
いた企業が中心であったことは否めない。

本当に日本国は大人になったかを考えるに、混迷する国際情勢の
なかで今後どう生き抜くかに掛かっている。
なお、現役時代、この本の劇画権を取得したいと森氏に連絡したが
返事はなかった。
スポンサーサイト



コメント

No title

「連合国に押し付けられた」については、それについての意見や評価は、それぞれで、いろいろあると思う。ただ、戦後憲法により基本的人権が保障され、権勢確保や維持のため天皇制を利用することができなくするとともに、権力の暴走を阻止する装置をに入れ、「大人の国家」になるためのシステムは一応整ったと考える。
大人になれていないのは、わざと視野を小さくし党利党略に走る野党や左翼団体ではないか?「自分は視野が広くなったというかものごとを客観的にみることが出来るようになったと思うと。」との言葉を、そのような人たちに聞かせたいと思う。

No title

> que*****さん
戦闘に負け、戦争に負けた人の言葉だから重みを感じた。確かに戦後の評価はまだできてないが、政治、社会、経済、教育など国のしての体裁はできている。
左翼はおっしゃるように、狭量で、主観的な見方がおおい

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

japaneseweapons

Author:japaneseweapons
日本の武器兵器研究、火縄銃から軍用銃までと多岐にわたり、 また急激に変化がある国際状況、日本の安全保障と外交を 論じる。



刀,弓,槍,薙刀,甲冑,鎧,火縄銃,軍用銃,機関銃など日本の武器や兵器に関する須川薫雄の研究を紹介はここ:
日本の武器兵器.JP


スポーツアンティークは、スポーツ用品や玩具、江戸期からの日本の食器、家具また、合法的な武具・火縄銃や軍装備品もマニアの方々に用意しております。米・日で約40年間に渡り仕入れたものです。



現在の閲覧者数:
カウンター :

月別アーカイブ