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短刀、「蝉」(せみ)の目貫(めぬき)



日本の刀剣は木製の楕円型柄に布紐を巻き、すべり止めと飾りを兼ねた「目貫」という金具が入っている。

この短刀の柄は太めの水糸が巻き付けれら、漆を掛けてある。

目貫はどういう固定方か、多分、裏に釘のように柄に入る部分が付いているのだろう。普通は紐が目貫に掛かり固定される。

「蝉は表が成虫、裏が幼虫だ。」

縁頭と鞘の鯉口の輪を一作で、唐草模様だが、錆が酷かったので、はっきりしてない。

この短刀は東京郊外の友人実家の倉から20数年前に出た武具の一部だ。
他にも刀、脇差、槍、火縄銃、甲冑、弓矢など10点くらいと一緒だった。全部錆びていた。
「発見届け」に立ち会ってやり、「登録審査」のことを教えてやった。
当時は発見届けも、その家が旧家であったこともあり何の問題もなかった。
この短刀はお礼にいただいた。
蝉の形をここまで出すには苦労した。

蝉は古来、「もののあわれ」、無常観を呼び起こす象徴だ。
長い間、土中にあり、外に出て数日の命。抜け殻は空蝉(うつせみ)と言い、源氏物語にも使われた。

この短刀はやはり、その時のためのものだったのだろう。
古来、日本人は「責任を取る」というのは死を意味したわけであり、戦いに負けたら、腹を切るのは自然なことだった。

当然、最近はそういうことは表現だけになってしまった。

なお、中国では蝉は幼虫も成虫も食べる。近くても文化の差は大きい。

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コメント

No title

きれいに研ぎ上げておられるようで、感心です。
この種の鍔のない合口拵えは幕末に流行しました。
物騒になって丸腰でいられなかった。出っ張りのない懐刀が求められたのでしょうね。
町人まで帯に管打ちピストルを指していたと。
もっとも幕末維新の一時の混乱で、江戸時代は全般平穏だったのですが。

No title

この刃も新新刀だそうです。錆身でしたが、近所の船坂さん故人ですが、砥いでもらいました。短いので費用も掛からず、また刃にとっては初めての砥ぎだったでしょう。

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日本の武器兵器研究、火縄銃から軍用銃までと多岐にわたり、 また急激に変化がある国際状況、日本の安全保障と外交を 論じる。



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