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木鞘の軍刀



日本将校の軍刀は、旧軍刀(明治時代)から鉄鞘であった。
旧軍刀は西欧的であるが、日本のものは柄が長く、両手で握れるようになったいたのが特徴だ。
鞘はニッケル鍍金されていた。

新軍刀は日本刀の形に近くなったが、鞘は内部は木製、外部はやはり鉄で、カーキ色を焼付け塗装し、それに皮革を巻いていた。皮革を巻いてないものも多い。

内部の木は刃を守るためであり、鉄鞘は野戦で木鞘だけでは弱いので補強するためで、皮革は見た目を良くするためだった。

この刀、皮革の下は木鞘で、鉄鞘はない。鞘は軽い。

中の刀は、昔、刀剣博物館で見た貰ったところ「古三原、もし焼けたものを鍛え直してなければ、価値はある。」と言う訳の分からない解説だった。刀は重い。

細直刃で、樋がある。
砥いではないが、綺麗だ。

この刀、どういう将校が持っていたのだろう。柄や鍔も特注のように見える。
下げ尾、青は尉官だ。柄も汚れてない。刃も鞘も新品のようだ。

(ヨコゼンさん刀はもうあと一振りくらいで終わりです。)

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コメント

No title

軍刀拵えはそちらのほうがお詳しいですから、当然中身についての感想を求められているという前提でコメントします。

古三原の刀剣についてはこちらを参照ください。私が下手な解説をするより、詳しい情報が出ています。

http://www.touken-sato.com/web-gallery/komihara.htm

No title

500字制限がかかってしまいました。

>焼けたものを鍛え直してなければ

これは、再刃のことを言っているのだと思います。
日本刀は炭素鋼を熱処理して、刃紋の部分のみ硬度を上げています。刀がもし火災などで再度熱を受けると、焼きが戻ってしまい刃物としての機能は失われます。
刃紋の部分焼けてしまった刀剣を再生するために、まだ硬度の残っている、刃紋の部分があればあらかじめひき潰し、刀匠がもう一度焼入れ作業を施すことを再刃、そうして再生された刀剣を再刃物と称します。
再刃物は切れ味は遜色ないとは言います。ただし「美術刀剣」としては、最初の作風は失われるので、全国団体のやかましく言う時代性が損なわれたものとして価値は当然下がるわけです。
学芸員が断言しなかったのですから、はっきりとわかる再刃の特徴は出ていなかったのでしょう。
昭和の時代要請を考えれば、武器としてお役に立ったとして十分な評価を与えるべきではと思います。

No title

いつもありがとうございます。確かに学芸員は明確に言ったわけではなく、もしかしたら、ここにある影が、と言うような表現でした。
この軍刀は何か別格な拵えで、他では見たことがありません。

No title

鮫皮に立派な親粒があるので、誂えにかなりお金のかかった部類と思います。
良い拵えには、まずそれなりの本身が入っているようです。健全な古三原であれば600年以上たっていますから、再度研磨して白鞘に入れる価値はあるでしょう。

No title

どういう人がこういう軍刀を帯びていたのか、想像してます。
いつもご助言ありがとうございます。

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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