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九九式軽機関銃の銃身接続


この接続方法は日本独特なものだ。

1930年代後半、名古屋工廠で開発されたと思われる。
クサビを使うのだ。画像のボルトの先の部分。

九六式軽機からの改良点の一つだ。
左からボルトを締めていくと、銃身と尾筒(レシーバー)の接続が常時固い。

これは九六式の半月型の柄(レバー)を使う方式、チェコ機銃の凸凹を90度違いに入れて接続する方法などより使用による磨耗に圧倒的に強い。

ヘッドスペース(弾丸の入る部分とレシーバーの微妙な距離)は銃身に挟む0・1-0・5mmまでの五枚の環で調整する。

優れた機構だ。

この仕組みは、空挺用の二式小銃7.7mm、銃身と銃床・尾筒が分解できる、の接続方法にも使われた。ボルトを締めることで、ガタが来ないのだ。

海軍はチェコ機銃の凸凹方式で九九式小銃を分解できるように改造した。

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コメント

No title

いいブログに出会いました。私の興味ある武器兵器の解説。これからが楽しみです。

No title

日本の武器兵器、掘り下げて行きます。

No title

凝ったつくりと見受けましたが、扱う立場からするとねじが1箇所増えると日常点検のポイントが一つ増えるわけで、なかなか頭が痛いものです。
狩猟用のライフルも急に当たらなくなったりするのは、大体眼鏡保持具まわりのねじの緩み、軸受けのワレなどが原因。
戦闘の合間も保守に気を配らなければいけない兵隊さんは、大変だったでしょうね。

No title

確かに凝った作りで海軍(フィリピン)はこの方式では出来きなかったようです。
眼鏡のネジ、固定の柄に関しては次回書きます。

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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