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「無煙火薬」はいつから実用化されたか。本#31


前装銃(火縄銃、管打ち銃など)の射撃に使う黒色火薬は今では殆ど使われてないので、注文して購入するのに手間が掛かる。捕鯨砲くらいにしか使われてない。

黒色火薬は19世紀まで銃砲の発射薬だった。
19世紀末にニトロ系の無煙火薬(発射煙は少しは出る)が発明されると、この火薬は燃焼の際に出る、煙だけでなく汚れが少ないので、機関銃の開発に大いに貢献した。
黒色火薬では機関銃は回転しなかったのだ。

しかし化学的な火薬に関しての分かり易い本は少ない。
この本、中原 正二著、「火薬学概論」 産業図書は比較的分かり易い。

無煙火薬はフランスで1884年にB火薬と呼ばれた、実用的なものが出現し、それが1888年にルベル小銃8mmの実包に採用された。
ほどなくホチキス機銃も実用化された。(ルベルとホチキスは同じ実包を使った。)

日本はルベル型小銃を村田二十二年式連発銃として1890年に開発していたから、恐らくこの実包、大変似ている、は無煙火薬を使用していただろう。これが最初の実用化だっただろう。

先日、鉄砲隊百人組の泉さんが、送ってくれた、「歴史と旅」1976年7月号、大森 実氏の記事、
黒色火薬はどのように製造したか。

炭の材料につつじの木を使うと良い。つつじは新宿の名物だったそうで、何かの因果関係があるのでは
との泉さんのコメントが添えてあった。

本は★★☆

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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