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ドイツ暗号機エニグマ奪還作戦 「U571」 戦争映画100選 その110


ジョナサン・モストウ(Jonathan Mostow)は、今一番油ののりきった各種アクション、娯楽映画の監督として、すでに数本の作品(「ターミネーター4)も含め)手がけている。
彼が監督した2000年の作品「U-571]は実話に基づいた話と広報されたが、当時こんな荒唐無稽な話はありえない、単なる娯楽と馬鹿にしていた。
今、見直してみると、モストウのなかなか手の込んだ作りに感心した部分もあった。
まずは言語だ。ドイツ潜水艦、駆逐艦の乗員はドイツ語を話し、アメリカ海軍、海兵隊の軍人もそれらしい英語であった。

エニグマ(Enigma)はドイツ海軍の暗号システムで、轟沈されたり、事故にあったUボートから英国海軍が
回収し、さらに交信中の電波を傍受して、徐々にその暗号を解読し、完全に解読したのは1944年になってからだった。

アメリカが偽Uボートにドイツ国の表示をして、アメリカ軍人がドイツ軍人の被服で(これもゲリラ行為で国際法で禁止されている)、しかも何も訓練もせず出て行くなど、非現実的、めちゃめちゃな設定であったが。

配役は良い。潜水艦のタイラー少尉(Mathew McConaughey),コマンドーのグルグーン少尉(Bill Paxton),退役近いヘンリー・クロー曹長(Harvey Keitel),アーメット少尉(Jon Bon Joji),マリンコのコナン
少佐(David Keith)など、数年前はなかなかのスターだった人たちだが、このごろ見ないのがさびしい。

アメリカ海軍は北大西洋で、英国海軍駆逐艦から損傷を受け立ち往生しているUボートに、アメリカ海軍の偽のUボートで近づき、コマンドーがトンプソン短機関銃を持って攻撃、これを制圧して、暗号機と
コード表を得た。しかしアメリカの偽Uボートが他のUボートにやられて、艦長以下乗員は死んでしまう。
残された10名ほどのコマンドーと水兵が、ドイツ軍も直せなかったエンジンを動かし、操艦して、ドイツのUボート、そして駆逐艦まで沈め、任務を遂行したと言う筋だ。
ドイツ戦闘機が哨戒してくるシーン。これもありえない。ドイツ戦闘機は航続距離が短いので哨戒はできない。U-ボート艦橋のMG42、これもありえない。地上用の機関銃だからだ。

潜水艦しかも他国の故障艦の操作はわずかな経験しかない兵でも出来るのか、しかも水中で狙いもせず魚雷を4発発射した。相手も4発発射してくる。魚雷が艦を擦る。駆逐艦から落される爆雷が艦の直ぐ近くで何発も爆発する。それでも沈まない。
ストリーはありえないものだらけだが、潜水艦の内部、アクションシーン、爆発シーンなどは丁寧な作りで良くできていた。

この作品があまりにも、フィクションとは言え、エニグマ解読をアメリカ軍の手柄と出鱈目に製作したので、英国海軍ベテランの会から抗議があったほどだ。

なお、アメリカ海軍は他の海軍と同じで、階級意識が強く、将校の結婚式に水兵が招待されるとか、
また第二次大戦に参戦する前、コックとは言え、潜水艦に黒人が乗務することはなかったそうだ。

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コメント

No title

設定では42年4月の話となっており、アメリカは既に参戦中です。偽Uボートも、ろ獲品ではなくアメリカの旧式鑑の偽装。トンプソンは通常のストックではなく、折りたたみストック仕様が使われています。MG42に関しては臨検用に地上兵器が搭載されていた、撃沈した船の乗員を機関銃で銃撃した記録がある、対空用機関銃として使用されていた、等があるのであながち間違いではないかも。大戦中の米英軍の特殊・諜報作戦については、ほとんど冗談まがいのような作戦もあり、本作がフィクションとはいえ、それほど出来は悪くはないです。

No title

なるほどありがとうございました。訂正します。

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日本の武器兵器研究、火縄銃から軍用銃までと多岐にわたり、 また急激に変化がある国際状況、日本の安全保障と外交を 論じる。



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