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日本軍機の航空計器


およそ武器兵器の収集で一番、困難なのは枢軸国(日本、ドイツ)の航空機計器だ。
ほとんど目にすることはなかった。博物館、例えばスミソニアンなどには系統的に収集、保管されていると思うが、アメリカでもあまりにも高額すぎて、それらを研究する人や、結果の発表も少ない。

画像は、日本軍の高度計2種で、高度計の単純な機能、気圧計、であるから今でも正常に作動する。
(小型機に乗った際に携帯し調べた。)貴重なる資料だ。

右は「九五式II型」と文字盤にあり、裏の銘板には「NO346XX 昭和1x年12月 株式会社柳製作所」とある。
左は「九七式」とあり、銘板には「NO79x 昭和17年8月 ○Y株式会社柳製作所」とある。
(年月は算用数字表示)
両方とも真ん中上に「高」の大きな表示がある。

九五式は単針で、直径70mm、奥行き55mmで、一回りが500mを示し、二回りで1000mだ。
(この方式は勘違いし易い)しかし10m単位の幅が大きく、低空用だ。二回り目の数字は横に小さくある。前下の釦を回し、文字盤が回り、地上にセットする。文字盤枠の内側に気圧ミリバールを示す数字がある。

九七式は直径80mm、奥行き90mmと筒状で、2針だ。長針は100m単位の表示で、一回りが
1000m、短針が1に動く。従って、2つの針で1万mまでの高度を計れる。
前下の釦を回し、針が回り、地上の気圧にセットする。気圧は窓に出る。

いずれも裏側にパイプが取り付けられ、ピトー管に接続されたが、気圧計なので接続がなくても機能する。

これら二種の計器は、陸軍用で、柳製作所は13社あった陸軍航空機計器製造会社のひとつだった。
九五式高度計は九七戦に搭載されていたのであろうが、
はたして九五式高度計が戦闘用か、練習機用か。複葉練習機にも多くの数あっただろうから、分からない。(多分練習機用だったろうが。船津航空計器博物館さまの資料では一式戦も九五式二型高度計を使用していた。)
しかし2年しか差がないが九七式高度計は性能からみて戦闘用航空機に搭載されていたものだろう。
(海軍には一型、二型という2種の高度計を納入していた。柳製作所は日本軍の高度計では占有率は高かったようだ。)

両方とも、針と文字には夜光塗料が塗ってある。

航空機はどんなに低くとも単発機で100m以上の高度で第4旋回を行い、滑走路もしくは甲板に正対する。
気圧高度計の時代は、それから着陸までは高度計よりも目測で判断した。10m単位の高度は計器では気圧の変化や、着陸場所(もし他の飛行場に行けば)海抜の差で、正確な数字を示さないからだ。

株式会社柳製作所に関しては、菅 礼之助氏(実業人、俳人)が1934年に設立した会社ではなかろうか。現在はどういう名で何を(多分他の兵器会社と同じく社名変更し精密、ハイテク機器製造をしているとおもうが)業務としているかは知らない。
柳製作所は主に高度計を製造していて、二式高度計、そのほかに九八式速度計が製品だった。

これら二つの高度計は1970年代、アメリカで知人の日本骨董鑑定、分類を手伝い、入手したが、おそらく今では購入することは出来ないだろう。

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コメント

No title

> おそらく今では購入することは出来ないだろう。 昔は、コネがないと入手できませんでしたが、最近は、ネットオークションなどで簡単に入手できるようになっています。ジャンクも多いのですがコレクターの放出品やVeteranの人の処分品なども出ることがありけっこう珍しいものも出ているようです。

No title

速度計、ボールバンク計、上昇計などが欲しいですね。

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Author:japaneseweapons
日本の武器兵器研究、火縄銃から軍用銃までと多岐にわたり、 また急激に変化がある国際状況、日本の安全保障と外交を 論じる。



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