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八九式重擲弾筒の属品(アクセサリー)


八九式重擲弾筒は日本軍歩兵が装備した優れた兵器の一つだ。
(1950年代にイスラエルが同じようなものを作り、中東戦争で使用した。)

私はこの兵器を英訳するに「ポータブルモーター」(携帯迫撃砲)とした。
欧米では「ニィーモーター」(膝迫撃砲)と呼ばれていたが、勿論これは間違いだった。(アメリカ兵が底板を腿に載せていた写真から付いたものだが、反動で足を折るのがおちだ。)
とにかく口径50mmの大きな榴弾を前装ライフル方式で発射するのだから。威力は手榴弾の何倍もあった。画像の砲弾は信管を付ける前の状態でベークライトの蓋で閉めてある。

この兵器は、工廠のほか、島津製作所、愛三工業、光精機などの民間会社でも生産され、おそらく10数万門の数量があっただろう。(中国戦線では分隊単位で装備されていたこともあった。)
機構が簡単なので、整備属品も機関銃のように沢山はない。

画像の真ん中の鉄製スパナ(全長75mm、螺子穴5mm、U字部分の長さ10mm)だけだ。

八九式擲弾筒は帆布製の筒に入れて兵が背中に担いで運搬した。収容嚢の下の部分に小さなポケットがあり、その中にこの特製スパナと若干の予備部品(カム、バネ、撃針)を帆布製の袋(45x85mm)に入れ、巻いた。
野戦ではこの小さな道具で全部間に合ったとのことで、この兵器の優位性はここにもあった。
この袋には「昭十七 五 ▽」の表示がはっきり見える。
この▽は愛三の標(しるし)だと思う。兵器砲身の同社標は▽のなかにカタカナのアとイを組み合わせたものだが、布に印字するにはつぶれてしまうので、簡略化したと推定される。

三十年式銃剣後期型の▽刻印を私が愛三工業製と推定した根拠はここにある。
愛三工業は軍需会社として設立されたが、現在は自動車電子制御部品の世界的メーカーだ。

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