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教練用弾薬盒と判断した理由


画像の二つの日本軍用前弾薬盒は、一部皮革や代用素材を使用しているとは言え、本体は紙箱である。
アメリカではこれらは、1944年末期から終戦までの間に製作された「ラストデッチ」(ガラクタという意味)と言う種に判定され、木製鞘の銃剣や、九九式小銃固照門などの装具とされている。
(価格はかえって高い。)

仔細に観察するに私はこれらは皮革材料が無くなって製造されたものではないと判断した。

手前のものは紙箱に布張りだ。一般の弾薬盒と同じ寸法で、蓋止め帯と帯革通しは帆布張りゴムだ。蓋止め釦はアルミ製だ。(アルミは終戦直前に一番重要な素材だった。)

後ろのものは紙箱に茶色の紙を張ってある。やや小型で幅が5mm小さい。帯革通しは皮革製で、蓋止めも先は皮革製だ。真ん中は紙か布。蓋止め釦は真鍮製だ。

特に注目したのは縫い目だ。縫い目がとても丁寧な仕事で、1944年後半からの兵器や装具製造の荒さがない。

日本軍の前弾薬盒は格好は悪いが実はとても実用的で、銃を左手で保持したまま、右手で蓋を開け、5発載せの装弾子を装填できたからだ。
もし皮革素材が不足なら、雨に打たれればひとたまりもない紙箱などよりも、箱にこだわらず、布の袋などにしただろう。
ちなみにアメリカ軍のガーランドライフル用弾薬嚢は単なる布の袋だ。

これらは1930年代末ごろ作られた教練用の弾薬盒だ。皮革は当時、ドイツも日本もアメリカから輸入しており、高価なものだった。日本は後に中国、アジアから(品質は劣る)皮革が入るようになったので、それほど不足した素材ではなかった。
むしろ代用素材は南洋の気候が皮革に向いてなかったから採用されたのだ。

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日本の武器兵器研究、火縄銃から軍用銃までと多岐にわたり、 また急激に変化がある国際状況、日本の安全保障と外交を 論じる。



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