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歩兵砲の薬夾


1932年に、日本陸軍は九二式重機関銃、九二式砲兵砲という二つの重要な兵器を制定した。
重機関銃はともかく歩兵砲は日本ではあまり評判が良くない。二つの機能を一つにした貧乏根性みたいに
言う「評論家」が多い。

映画「土と兵隊」の最後のシーン、大隊がまた次なる目的地に出発するシーンで、2基の歩兵砲(大隊砲とも言った)が馬に引かれて粛々と動いて行った。

画像はこの歩兵砲の薬夾だ。口径70mm、長さ185mm、底の直径は90mmで、とてもずんぐりしている。薬夾には「F九5(砲を交差した大阪工廠の刻印)」雷管には「九・3」とある。
九は昭和9年(1934年のこと)で後の数字は月で製造年月を表している。白い丸は500円玉。
このずんぐりした形状が九二式歩兵砲(大隊砲)の性格と性能を表しているのだ。

九二式歩兵砲は砲身長790mm、重量204kgと非常に小型な砲である。二つの鉄輪で移動する。
分解して人力で運ぶことも出来た。

実はこの砲は水平に発射する機能と、曲射する機能の二つを兼ね備えていた。
敵が何かの構造物、車両などであれば水平に撃ち、塹壕や、障害物の裏にあれば曲射した。

水平射撃と、曲射では砲弾の性格も異なる。従って、目標に合わせて、砲弾を選ぶ、また薬夾に合わせた装薬を詰めた。この薬夾は厚い真鍮で、同じものを装薬、雷管、砲弾を戦場で付け替えて何回も使用した。
使うたびに薬夾の底に点(ドット)を打ったので、何回使用したかが分かる仕掛けだった。
(曲射はわりに初速が遅いので、装薬もそのようなものを入れた。しかし装甲の厚い戦車などにはこの
薬夾を見ての通り力不足だった。)

砲弾をこのように目的別に作り替えるのは大変な作業だが、輸送面での制約をある程度解決することが
でき効率が良かった。

アメリカ軍はこの砲を評価している。
鹵獲した砲を、小柄なアメリカ兵に日本軍の装具、銃剣を付けさせて操作させている写真が残っている。
勿論、一般の兵にもこの砲の操作を覚えさせ、鹵獲した砲を逆に日本軍に対して使うためである。

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日本の武器兵器研究、火縄銃から軍用銃までと多岐にわたり、 また急激に変化がある国際状況、日本の安全保障と外交を 論じる。



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