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日本砲弾信管の謎


私は2種の日本の迫撃砲弾を研究している。
勿論、中身の装薬は抜いてあり、信管は処理してあるので、完全に安全なものであるし、復元も出来ない。
一つは91mmだ。昭十八と信管にあり、本体全長40cm、信管は6cmだ。
もうひとつは81mm、昭十四年と信管にあり、本体は全長30cmだ。信管は91mmと同じものだ。
この砲弾には「九七式曲歩一〇〇式」と白書してある。

信管は八八式「野、山、加」と刻印したある。良質なものだ。
野は野砲、山は山砲、加は加農砲の意味であろう。この信管は3種の大砲に共通なものであったらしい。

91m、81mmともに有翼弾だ。従って発射したのは、滑腔の迫撃砲だった。
6枚の翼がついており、その一枚一枚に花火のような燃焼装薬が付けられた。翼に刻みがあるので6枚の平たい装薬を挟めば良いはずだった。
発射の衝撃もしくは熱で、発火し、砲弾は6枚の翼の角度により回転する仕組みだった。
(砲弾、銃弾、球形でないものは回転しないと真っ直ぐに飛ばないことくらいは知ってるよね。)

不思議なのは、アメリカで見たほとんどのこの種の砲弾がこの同じ八八式信管が装着されていたことだ。
砲弾が目標に命中し、爆発し、破壊するためには信管が絶対に必要なものであることは言うまでもないが、日本にはこの信管しかなかったのか。
臼砲用の信管を見たことがあるが、それは迫撃砲弾には使用されなかったのか。
なお八九式重擲弾筒50mmの砲弾にはやはり八八式と刻印されているが、ずっと小型である。

名著、佐山 二郎氏の「大砲入門」を読んでもその点はよく理解できない。
なお日本砲弾の信管部分のネジは逆に切ってあり、そのためにアメリカ人が締め付けてしまって開かない
場合がある。これは砲弾が飛んで行く回転と逆方向になるようにしたからだろう。(同じ方向だと緩む恐れがある。)

黄色い帯は高性能爆薬の意味とのことだ。

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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