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銃弾の威力


銃器を向けられたら、けして逆らってはいけない。車の中にいても同じだ。

昔、兵営の近くで、金属板が売られていたそうだ。兵に面会に行く親が買い求め、息子に左胸のポケットに入れておけと、渡したと言う。
金属板はポケットに入る寸法で、厚さは3-4mmだ。ステンレス製で磨いてあり、鏡や信号にも使えた。

しかしこの板は敵の銃弾を防ぐことができたか。

私が所持していた一枚から同じ厚さの見本を製作した。2枚の鉄板を合わせ、溶接したものだ。
これを100m先において三八式小銃6.5mm通常弾で射撃した結果が画像のものだ。
真ん中にシールをはりそれを狙ったが左にずれた。
しかし、銃弾は簡単にこの鉄板を貫いてしまった。

だから「これをポケットに入れておけ」と言う親心は気休めにしかならないものだった。
鐵甲弾(固い鉄で被甲してある車両を射撃する機関銃弾)は25mmの厚さの鉄の塊をほとんど貫く。

昔の試胴(鎧の鉄が強いことを証明するために鉄砲で撃ち、貫通せず、ただ凹んだだけ。)を信じている人は江戸時代の形骸化した武器兵器の仕組みを理解してない人だ。(つまり歴史を知らない人だ。)
火縄銃弾でも貫通しない鎧を製作したら重くて行動できない。

銃弾は早く威力のあるものだ。だから銃を向けられたら、絶対に抵抗してはいけない。
映画のようにはいかない。
子供にもこれを教えておけば10月31日ハローウィンの日の「服部君の悲劇」のような事件は防げたかもしれないと思うが?

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コメント

No title

日露戦争当時の高官が、江戸初期の南蛮胴に良く似た金属製の防弾装備を着用した写真を見たことがあります。あれなどロシア兵に的のありかを教えるだけの無用の装備だったのかも。矛と盾の関係でいえば、施条銃と弾薬の基本性能が早くに完成したのに対して、元来ソフトターゲットの人間のほうを鎧う技術はまるきり困難なようです。銃を向けられたら、とりあえず抵抗しない。いずれ日本の社会生活でも必要なリテラシーになる(悪い)予感がするこの頃です。

No title

いわゆる防弾チョッキは遠くから飛んで来た流れ弾、威力の小さい拳銃弾、ブレードウエポンズには、ある程効果はあるでしょう。しかし、小銃、機関銃で直接狙われたら、まず駄目です。手を上げるしかありません。

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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