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アメリカ軍マニアルにみる日本軍のブービートラップ


1943年から44年にかけてアメリカ軍は太平洋に散らばる日本軍の徹底研究を行った。
主にガダルカナルでの戦闘で得た経験、鹵獲した武器兵器、捕虜からの聞き取り、それらをまとめたもので作成したマニアルで、戦後復刻版も多く出ている。

その中に日本軍が九一式手榴弾を使用したワナ兵器(ブービートラップと呼ぶ)が紹介されている。
本当にこれが日本軍の「制式」なやり方とは思えないが、多分中国戦線での経験から生れた九一式手榴弾の機能を活かした一つの方法だと思われる。

手榴弾を筒の中に入れ、そこから伸びたコードに引っかかると手榴弾が下に落ち、固いもの、石や金属に信管が当たり、作動すると言う仕組みだ。
しかしこの手榴弾は直ぐには破裂しない。信管は4-5秒の作動期間がある。従って紐に引っかかり、手榴弾の信管の音が聞こえたり、煙が見えてから、身をひるがえし、隠しても間に合う。

この仕掛けの目的は、個人の兵の殺傷のためではなく、対人地雷などスポット的でなく、線として敵兵の接近を知るためのものではなかったか。
ある小隊が野営しているとする。真っ暗闇の中、敵の接近を知るには、原始的には紐と空き缶などを使用したが、このコードと手榴弾は相当遠くからでも分かるので、有効な方式だ。

アメリカ軍の固い信管の安全栓と柄がはねて信管が作動するような仕組みの手榴弾では出来ない方法だ。
アメリカ軍は日本軍のブービートラップにそれほど悩まされたか? そんなことはなかっただろう。
日本軍の死傷の多くはアメリカ軍の砲撃によるものだったからだ。
むしろその後ベトナムでアメリカ軍はベトコンのありとあらゆるブービートラップに悩まされた。

中国戦線で戦った日本兵の証言によると、共産系のゲリラは、ありとあらゆるこの手の方法の発案者で、
当時アメリカ軍に共産軍のやり方を教えてあげたいと言っていたのを思いだす。

今もアメリカ軍はイラクで道路わきに仕掛けられた砲弾を利用した爆発物に悩まされている。

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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