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グライダー読本 戦前の数冊


現在の日本のグライダースポーツ原点は戦前の一般学生航空教育にあったことに間違いない。
数年前、知り合いの古書店から9冊の古いグライダー本が持ち込まれ、入手した。

清水 六之助、澤 青鳥、藤原 金太郎氏などグライダー界で著名な人々が書いたものだ。それらは、

「グライダー」昭和10年、増田 正文著 岩波書店 
[GLIDING SPORT] 昭和12年 S.SAWA 澤 青鳥 大蔵書店
「滑空操縦読本」昭和15年 清水 緑、今井 克著 有象堂
「国民グライダー読本」昭和16年 陸軍少佐石原 政雄校 藤原 金太郎著 山海堂 
「日本の滑空飛行」 昭和17年 清水 六之助著 東京開成館
「グライダークラブ」 昭和17年 澤 青鳥著 東亜書院
「わが滑空物語」 昭和18年 クロンフェルト著 田中 純評 東晃社 
「滑空原理と滑空機の操縦」 昭和18年 白石 襄治、清水 六之助著 大八州出版
それに戦後日本の航空再開まもなくの

「滑空機の理論と実際」 昭和29年 山崎 好雄著 産業図書(株)
などである。

グライダー理論研究に関する本の嚆矢、増田 正文氏は「愛知時計電気」の技師であって、同社は「晴嵐」などの名機を開発した会社だ。彼はアマチュアの研究家だった。
戦前のグライダー理論の多くはドイツ(第一次大戦後ベルサイユ条約で航空活動を禁止されていた)が
いざと言うときの操縦士育成手段としてスポーツとしてグライダー教育に力を入れていて、その規模や水準は世界一であった。ドイツでは1930年代、すでにソアラーの距離飛行が一般的になっていた。
日本のグライダー理論も大筋はドイツから入れたものだった。

清水 六之助氏は1961年に墜落死した。

友人の大ちゃんはこれらの蔵書は時期からみて、日本学生航空連盟教官、朝日新聞嘱託であった武下教官
(法政大学OB)の亡くなった直後なので、彼のものでなかったか、としていたが。

いずれ時間ができたら内容をじっくり研究してみたいが、目を通したところ、いずれもグライダーを純粋なスポーツと捉えていた。
そして、
航空スポーツ学生を軍事転用し、陸軍に媚を売ったのは「朝日新聞」が運営していた「日本学生航空連盟」であった。
このような本でグライダー理論を勉強した多くの航空スポーツ青年が、ドイツと同じように日本でも帝国陸軍操縦士として大戦で戦って死んだ。

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プロフィール

Shigeo Sugawa

Author:Shigeo Sugawa
日本の武器兵器史の研究者、陸上自衛隊武器学校資料館アドバイザー。
目まぐるしく変化する国際情勢、その中で日本が対応する未来への策、安全保障を政治、経済、社会、報道などを多角的に分析する。
また趣味の狩猟、渓流釣りと自然、環境問題。そしてアート、音楽、歴史など文化面をも・・・その思うところを紹介したい。


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